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【コラム】神様がながす涙の雨 − ジューンブライド(6月の花嫁)

コラム_ジューンブライド

《 Belles Fleurs Tokyo フラワーデザインコラム vol.4 》

6月はジューンブライド(June bride)。欧米では、6月に結婚式を行うと一生幸せな結婚生活を送れるとされ、多くの女性が憧れる「6月の花嫁」です。日本では雨の多い6月は、結婚式も雨の心配をしてしまいますが、なぜジューンブライドは幸運のイメージに包まれているのでしょう?

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メトロポリタン美術館蔵 JUNOジューンブライドは元々、ヨーロッパの風習です。ジューンブライドの由来にも様々な説がありますが、中でも有力な説が次の3つです。

ひとつ目が、ローマ神話の女神「JUNO(ユーノー)」に由来する説です。JUNO(ユーノー)は、June(6月)の語源でもあり6月の女神で、ローマ神話では女性の結婚生活を守護するとされ、主に結婚、出産を司るとされています。そのため6月に結婚する花嫁はJUNO(ユーノー)の加護を受けて、幸せな結婚生活を送れると言われているのです。(左図:メトロポリタン美術館蔵、the Goddesses of the Greeks and Romans seriesより)

ふたつ目は、ヨーロッパでは6月に結婚が解禁されたから。昔のヨーロッパでは、3〜5月は農作業の繁忙期で結婚が禁止されていました。そのため農作業が落ち着き、結婚が解禁になる6月に多くのカップルが結婚式を挙げたからという説です。

3つ目は、ヨーロッパでは6月の気候が一番穏やかな季節です。結婚式を挙げる時期としては最適だったという説。やはり一番目の説が、夢がありますよね。

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バラのジューンブライドそんなジューンブライドという名前で思い出す花は、やはりバラのジューンブライドでしょうか?光沢のある淡いピンク色の花は、花弁の端に薄く紅色がさして花開きます。フロリバンダ系統の「ブライダルピンク」の枝変わり品種で、花嫁の顔色が薄っすらとピンク色に染まる様子をイメージして命名されたと思われます。
2007年、河合伸志氏により作出されました。

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夢見るジューンブライドは、多くのミュージシャンが歌っています。昔はRCサクセションの忌野清志郎が歌った『ジューンブライド』があり、この頃ではロックバンドのシズクノメが歌う『ジューンブライド』があります。素敵な詞なので抜粋します。

“ 愛してるを何千回伝えても 足りないような気がするんだ 白い花を思い出す
愛しているをあと何回言えるだろう 梅雨の匂いがする だから6月は雨でいい ”
− シズクノメ『ジューンブライド』

紫陽花6月、紫陽花(アジサイ)の咲く日本のジューンブライド「6月の花嫁」にフランスのことわざを贈ります。

“ Mariage pluvieux mariage heureux
雨の日の結婚式は幸運をもたらす ”

「これから新郎新婦が流す一生分の涙を、神様が代わりに流してくれている。神様の涙が雨となり その雨に乗せて祝福の天使が舞い降り、ふたりは幸福になれる」という意味だそうです。お幸せに。

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