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【コラム】11月は「ありがとう」の月

《 Belles Fleurs Tokyo フラワーデザインコラム vol.9 》

11月にもなると秋は深まり、早くも一年が過ぎる思いがして、感傷的になってしまいます。

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ありがとう11月の行事などを見てみると、23日には勤労感謝の日という祝日があり、またアメリカでは11月の第4木曜日をサンクスギビングデー(Thanksgiving Day:感謝祭)というビックイベントがあります。

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勤労感謝の日は、広く働く人々の勤労に向けて感謝を示す日という国民の祝日ですが、本来は新嘗祭(にいなめさい)という宮中や神社でおこなわれる、その年の収穫を祝うお祭りのことです。日本書紀にも「新嘗」の言葉が記されているほど、歴史ある神事です。
戦後は、稲作だけではなく世の中をかたち作るすべての勤労に感謝しようという思いから、「勤労感謝の日」と名前が変わり、今日まで続いているわけです。

サンクスギビングデーも、秋の収穫を神に感謝するお祭りで、17世紀にイギリスからアメリカ大陸にと渡った清教徒たちの苦難の歴史を祝う記念日となっています。

11月は、このように収穫に対する「感謝」の気持ちを秘めた月だといえます。「感謝」を表す言葉で、老若男女問わず、みんな大好きな言葉が「ありがとう」です。「ありがとう」の5文字には、とても魅力的で強いパワーが秘められています。実際、「ありがとう」の言葉をもらうと嬉しくなるし、他人に「ありがとう」と言うと幸せが深まります。

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秋の野原と少女そんな素晴らしい「ありがとう」ですが、その意味は何でしょう?
「ありがとう」の元の意味は「有り難し(ありがたし)」で、「有ること」が「難い(かたい)」という、「滅多にない」や「珍しくて貴重だ」という意味を表しています。そして「ありがとう」の語源は、お釈迦様が説かれた「盲亀浮木(もうきふぼく)の譬え」にあるのですが、この説法は難しくなるので止めておきましょう。

では、「ありがとう」の反対語は何でしょう?ありがとうの反対語は、「あたりまえ」です。何に対しても、「そんなのあたりまえだよ」と思っていませんか?
牧野富太郎博士ではありませんが、花が野に咲くことにも「ありがとう」と言えることに、「ありがとう」の気持ちがあるのですね。

「ありがとう」の気持ちがあるのに、なかなか口に出して言えない。あの人への感謝の気持ちを伝えたいのに、どう話せばいいのか迷ってしまう。なんてこと、ありますよね。そんな「ありがとう」の気持ちを伝えてくれるアイテムこそが、お花です。

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折り枝結び文昔から人は、日頃言えない気持ちや、言葉にならない思いを、花と歌の力を借りて伝えてきました。一輪の花を愛する女性に捧げるというロマンティックな行為は、洋の東西を問わず大昔から絶えることなく行われてきました。

特に日本の平安時代には、季節をいろどる花や木の枝を手折り、贈り物や手紙に添えて届ける風習がありました。これを「折り枝の結び文」といい、手紙は和歌という形で交わされました。「源氏物語」には、梅のほかに桜、藤、橘、朝顔、菊、紅葉、竜胆などの枝や花が、それぞれの季節にあわせて登場します。
この雅な「折り枝の結び文」を、私たちも利用したいものです。

「ありがとう」の気持ちを、花束に結び文にしたメッセージを添えて、貴方も平安貴族になってみませんか?

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