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【コラム】意味深~いニッポンのお正月:歳神さまとお正月飾り

迎春アレンジ

《 Belles Fleurs Tokyo フラワーデザインコラム vol.11 》

クリスマスが終わると、すぐにお正月の準備に取り掛かります。スーパーではクリスマスの飾りからお正月飾りへと様変わりして、「お正月飾り」が店頭に並びます。そんなお正月飾りの意味や由縁はどんなものなのでしょう。

お正月飾りお正月は新しい年を祝う行事として広く知られていますが、本来お正月は「歳神さま」を自宅にお迎えする行事であることを知っていますか?「歳神さま」とは、お正月の神様で「歳徳神(としとくじん)」とも呼ばれていて、五穀豊穣や無病息災などその年の福と徳を司る神様なのです。

お正月を迎える全ての人にご利益を授けてくれるありがたい神様をお迎えして、新年を歓び、五穀豊穣に感謝してお祝いをするのがお正月です。お正月に飾る「門松」、「しめ縄飾り」、「鏡餅」が、お正月飾りの代表ですね。現在の日本では、一般的に仕事納めを迎える12月28日もしくは30日から飾りますが、29日は「二重苦」などと縁起が悪く避けられてもいます。

アドベントクランツ車輪では、門松、しめ縄飾り、鏡餅のルーツは?

まず「門松」ですが、一年を通じて緑色の松は神様の宿る木とされており、歳神さまをお迎えする目印として家の門に左右一対(雌松と雄松)を飾るのが慣わしです。もともとは、シンプルに松だけを飾る「松飾り」でしたが、室町時代に入り生命力や長寿の象徴ともされる竹が取り入れられるようになり、現在のような「門松」になったそうです。このめでたい松と竹に、早春に紅白に咲く梅を加えて「松竹梅」が生まれます。(松や竹はヨーロッパのクリスマスツリーに使用するもみの木の由来ととても似ています。)

次は、「しめ縄飾り」。
門松と同じく、歳神さまをお迎えする神聖な場所を示すものとして玄関付近に飾ります。一般的な正月飾りとしてのしめ縄飾りは、五穀豊穣を願って藁(わら)で編んだしめ縄、葉の裏が白いので清廉潔白を表すウラジロ、新芽が出てから古い葉を落とすので子孫繁栄の象徴とされるユズリハ、家が代々栄えるようにとの願いがこもったダイダイ、喜ぶにかけた昆布、神様の力が宿るといわれる御幣(ごへい)など縁起の良いものを組み合わせて作られています。
しめ縄飾りは、歳神さまをお迎えする清められた神聖な場所であることを指しています。現在では、モダンな住環境にも飾れるように、デザインや大きさも様々のしめ縄飾りがあります。

クリスマスカレンダーそして「鏡餅」です。
鏡餅は、お迎えする歳神さまの家の中での居場所となります。鏡餅はその名の通り、ご神体を表す鏡や魂の形と同じく丸い形のお餅で、円満に年を重ねられるようにとの願いを込めて、重ねて置きます。鏡餅こそ、歳神さまの依代としての場所なのです。昔は床の間に飾られたのですが、現代では家族みんなが集まる場所や大切な場所に飾られています。

昔は、この歳神さまの魂が宿った鏡餅の餅玉を、家長が「御年玉」「御年魂」として家族に分け与えたそうです。それを頂くことにより新しい年の幸せや健康を願うのが、「お年玉」のルーツといわれています。

お正月飾りは、これから始まる1年がより良くなるようにとの願いを込めたものばかりです。縁起が良いとされる植物を使うことで、新年を明るく清らかな気持ちで迎えることができます。小さくてもいいので、皆さんもお正月飾りを準備して、良いお年をお迎えください。

お正月の飾りや行事など、知れば知るほど深~いニッポンのお正月です。

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